人事部門こそが企業における生成AI活用の要
生成AIはすでに人事部門に多大な影響を及ぼしています。データ収集の自動化を可能にし、従業員の体験(エクスペリエンス)を改善し、彼らがより価値の高い業務に取り組めるようにしています。生成AIは能力を高めつつありますが、同時に混乱も生じさせています。
そうした中で、ある重大な機会が頻繁に見過ごされています。人事部門が企業全体における生成AIの主要な推進役、原動力となる機会です。
企業は部署の集合体で、それぞれの部署はサイロ化する傾向にありますが、人事部門はすべての部署とその構成員に影響力を及ぼすことが可能です。組織のパフォーマンス文化を再構築し、今日の従業員に明日のスキルを学ぶよう促すことができるのです。だからこそ同部門が率先して生成AIを活用し、革新的で探求心旺盛、さらには実験を迅速に遂行する企業文化を組織に根付かせ、こうした企業文化に従業員が慣れ親しむよう仕向けなくてはなりません。
AIが組織にもたらす変革は、前例のないスピードで進んでいます。OpenAI社のChatGPTは、サービス開始からわずか2カ月で月間アクティブ・ユーザー数が1億人に達し 、歴史上最も急速に成長したコンシューマー向けアプリケーションとなりました(Instagramは、このユーザー数を獲得するのに2年半かかりました)。企業側はこうした生成AIの成長に注目しており、人々の働き方も劇的に変わりつつあります。
IBM Institute for Business Value(IBM IBV)が実施した調査によると、今後3年間でAIと自動化の導入が進むことで、世界の労働人口の40%が再教育を迫られることになります。世界銀行の統計によると、世界の労働人口は34億人のため、14億人がこれに該当します。これだけの人数を再教育することは簡単ではありませんが、仕事内容が大きく変化する可能性は高いと言えます。IBM IBVの調査によると、世界の経営層の87%は、生成AIが職務を拡張すると予想しています。経営層の60%以上は、企業が顧客や従業員の体験(エクスペリエンス)をデザインする方法が生成AIによって劇的に変化すると予想し、その根拠としてパーソナライゼーション技術を挙げています。
人事部門が企業の従業員エクスペリエンスをどのように変革すれば、従業員は環境変化の波に乗れるのでしょうか。本レポートでは、そのために必要な10の「行動」を紹介します。
生成AI
人、テクノロジー、データが強力に組み合わさる交差点。
第一部では、多種多様なシステムやビジネス・プロセスに人事部門がどのように関与すれば、生成AIを活用した組織文化を醸成できるのかを探ります。
第二部では、人事部門が戦略的アドバイザーとして、組織と従業員エクスペリエンスの未来にとって最適な、人材中心の業務モデルを開発する方法について解説します。
本レポートをダウンロードして、人事部門が導く生成AI活用への10の具体的な「行動」についてご確認いただき、将来の人事部門の在り方の検討にぜひお役立てください。
日本語翻訳監修
濱村良子
著者について
David Bowin, Senior Director of HCM Cloud Strategy, HCM Global Partner Development, Oracle Cloud Applications DevelopmentAndi Britt, Senior Partner, Talent Transformation Leader, IBM
Robert Enright, Associate Partner, AI-Powered HR Transformation, IBM
Surlina Yin, AI Technologist, HCM Domain, Oracle
発行日 2024年3月12日