レポート概要:
IBM Institute for Business Value(IBV)は、IBM Center for The Business of Government および 米国連邦行政アカデミー(NAPA)と連携し、公共分野に必要なレジリエンス構築の取り組みを支援するレポート・シリーズ、「未来の衝撃」に対する政府の備えとは? を発行しています。
本レポートはそのシリーズ第一弾、「緊急事態への準備と対策」に関するものです。
地域的、世界的に頻発する災害・緊急事態に対して私たちはどのように準備をすればよいのでしょうか。またそのためにどのような投資が新たに必要となるのでしょうか。こうした問いに対して、6つの実践的なアプローチをご紹介します。
詳しくはレポートをご覧ください。
レポート詳細:
この3年間に、過去に例がないほど多くの壊滅的な出来事が起きたことから、緊急事態管理への注目が高まっています。今なお続く新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックから、破壊的な自然災害、サイバー攻撃などに至るまで、相次ぐ衝撃が政府や企業、地域社会、個人に大きなストレスを与えています。そんな中、将来の危機への準備と対応には何が必要なのかという根本的な問いが、我々に今、突き付けられています。
コラボレーションで準備を強化する
災害とはそもそも複雑で、横断的なものです。地域や管轄、政治、組織の境界線などは災害にとって意味を持ちません。緊急事態管理も、同様でなくてはなりません。
災害に対する準備と対応への責任は、1つのセクター、プログラム、機関、政府のレベルでは担うことはできません。各セクターや機関、政府の間のパートナーシップを通じた、災害発生前、最中、事後のネットワークの強度こそが、成功のカギとなったり、また同時に、失敗の根本要因となったりもします。
つまりは根本として横断的かつ垂直的な広がりを持つ問題を、それぞれが独自に対処していては解決できないということです。
よく言われることですが、危機の最中に名刺を交換している暇はありません。
では準備と対応を進めるために、近い将来、政府が取ることができる実践的、具体的な方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
その答えを求めるため、IBV (IBM Institute for Business Value) とIBM Center for The Business of Governmentは、全米行政アカデミー(National Academy of Public Administration) と協力して、政府の指導者や緊急事態管理の専門家によるラウンドテーブル会議を開催しました。
このラウンドテーブル会議では、以下の6 つの実践的で実行可能なステップが示されました。
- 緊急事態への準備と対応のネットワークの強化
- 地域の能力の向上
- コミュニティーとの関係や多様なニーズへの対応に心を配るためのコミュニケーション計画
- 十分な資金を柔軟に扱えるようにするための予算編成ツール
- 災害発生前のデータ戦略策定
- 現在、緊急時、将来のニーズに対応するための人材戦略
- 将来に備えたレジリエンスの強化
ラウンドテーブルのある参加者は「災害への準備対応は費用がかさむと言うなら、事前の準備なしにやってみたらどうだろうか」と手厳しく喝破しました。
今や、国や地方を問わずあらゆる行政のレベルにおいてレジリエンスを高め、来る危機に向けて市民と従業員のニーズに応える準備が必要です。政府機関が短期的に実施できる6つの実践的なステップについて、レポートをダウンロードしてご確認ください。
著者について
J. Christopher Mihm, Adjunct Professor of Public Administration and International Affairs, The Maxwell School of Citizenship and Public Affairs, Syracuse University発行日 2022年12月11日