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つながる設備による新たなモデル

インテリジェントなつながる設備は、AIやIoTのデータを駆使することにより、パフォーマンスを最適化し、環境の変化に適応して、事業継続性の維持に貢献する。

生産設備、ガス・タービン、電力の変電設備といった高価値の物理的な設備のデジタル接続が拡大している。これは当然の流れと言える。スマートなつながる設備は、リソースの効率的利用とコスト削減を目指す業界にとって有益だからだ。こうした設備は現在の運用状況に関するリアルタイム・データを継続的に提供し、運用と保全の従来型モデルを刷新する機会をもたらす。こうした潮流に乗り遅れた組織は、事業環境のリアルタイムの変化や混乱への対応に即時に対応することが益々困難となる。

つながる設備にはさまざまなメリットがあるが、複雑さを伴うのが難点である。組織はデータを活用し、価値ある洞察の獲得を目指す一方、レジリエンスを持ち中断のないオペレーションを継続する必要がある。さらにこうした機器に接続されたソフトウェアに関しても、例えばセンサーが故障したときに何をすべきかなど、新たに管理すべき特有の課題も出てくる。

インテリジェント・オートメーションは人工知能(AI)やその他のテクノロジーを組み込むことにより、現実とデジタルの両方のビジネス・プロセスを自動的かつ継続的に管理および改善する。

ダウンタイムの短縮とコストの削減

最高執行責任者(COO)は今後数年間に、クラウド、アドバンスト・アナリティクス、IoT(モノのインターネット)といった、インテリジェント・オートメーションを構成する主要なテクノロジーへの大規模な投資を計画している。こうしたデジタル戦略における投資の最大の狙いは運用稼働時間の削減である。

デジタル化は、設備の保全と運用にかかるコストを低減する。例えば、鉱業・採掘企業は特定の作業に自動走行車を利用している。場合によっては地球の裏側から装置を遠隔監視することで、適正な油圧や温度であるかをチェックし、規定どおり稼働させることができる。地下採掘現場で作業するロボットはダウンタイムを発生させることなく稼働し、火災、洪水、崩落、有害な大気汚染物質といった危険な状態による安全上のリスクの軽減に役立てることができる。

Digital  of high-value assets and their ecosystems  can help drive productivity and predictive maintenance.

仮想世界と現実世界の融合が運用を効率化する

新たな運用モデルでは、予測分析と、物理的設備の「デジタル・ツイン」バージョンを利用することで、現時点における設備の稼働状況、今後不具合が発生する可能性のある時期と状況の予測が可能となる。デジタル・ツインとは、物理的設備のバーチャル・クローンのことである。物理的設備のライフサイクルを反映し、遠隔監視、予測に基づくプランニング、予防管理を支援する。数十億と想定されるモノに接続されるセンサーやエンドポイントはまもなく210億個を超えると推定されている。デジタル・ツイン・モデルは物理的設備のデータ分析を行うことで信頼性をかつてない水準まで高め、装置についてより的確かつ確実な判断を可能にする。

 


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著者について

Joe Berti

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, Vice President, IBM Applications Offering Management


Kay Murphy

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, Leader, IBM Global Asset Optimization Services


Terrence O’Hanlon

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, CEO, Publisher - ReliabilityWeb.com, Uptime Magazine, and the Reliability Leadership Institute

発行日 2020年10月1日

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