2016年 5月 11日 | マーク・ダジョン

カテゴリー:Thought Leadership

デジタル状勢が新しくなり、企業はこの新しい戦場で繁栄するか衰退するか、いずれかです。“Digital reinvention”とは、ビジネスモデルを再定義し、新たな競合が市場に参入する前に先取的に行動に移すことです。

Digital Reinventionとは

では、digital reinventionは何を意味するのでしょうか。それは異なる人々にとって違ったことを意味します。

  • 新しい技術
  • 顧客との新しいエンゲージの仕方
  • ビジネスの新しいやり方、新しいビジネスの定義の仕方

我々は組織間、および組織の中で多種多様な見解を持つため、ビジネスはどの方向に向かうべきかについて統一感や共通のビジョンを見失ってしまいます。この結果多くの場合、断片的なイニシアチブや誤った指示による取り組みを行うことになり、機会を喪失、開始の見誤り、悔いの残るコストの発生などを招いてしまいます。CEOたちはこのdigital reinventionを無視することは出来ないことが分かっており、3つの重要な質問を投げかけています:

  • 自分の戦略は十分に意欲的だろうか?
  • 自分は素早く実行しているだろうか?
  • 自分の従業員とその能力をどのように変革すればよいだろうか?

技術がdigital reinventionの重要なイネーブラー(実現要因)です。

Digital reinventionは異なる人にとって違った意味を持ちますが、技術がその基盤にあることはすべての人が合意しています。企業はもはや技術が終わりに到達するための手段などとは捉えておらず、ビジネス結果とビジョンに対処するためのイネーブラー(実現要因)であると理解しているのです。2012年にはまずCEOが技術を最重要事項として捉えましたが、その見解は今も変わっていません。しかし、残りの経営層も技術が主なゲーム・チェンジャーだと初めて同様の見解を示しました。

イメージ 1:(今後3~5年の間に)企業に影響を及ぼす外的要因
出展:2016 IBM グローバル経営層スタディ

個々の技術革新はそれ自体で重要な利益をもたらすものではありますが、差別化を生むのは個別の技術ではありません。これらのいろいろな技術の集合体こそが最大の望みであり、全業種間に最大の価値を提供するのです。
先進的な考え方を持つ企業はこれまで常に技術、洞察、またデザインの境界線を押し広げ、彼らの顧客にしてもらいたい経験を再定義してきています。あらゆる種類の業界のビジネスがたくさんのデジタル技術を取り入れ、物理的世界とデジタル環境をまたがって顧客との接し方を変革しようとしている今日、我々は新たな限界値を越えようとしています。これは変革的、かつ多くの場合破壊的な経験をもたらし、既存の事業主にとって替わり、競合の状勢をシフトさせるのです。

IBM グローバル経営層スタディは次のような主な示唆を示しています:

  • 経営層はその大多数が技術の重要性について賛成する一方で、どのような影響をもたらすかは明確に捉えていない
  • 経営層はよりよい製品やサービスを開発する機会を歓迎する
  • 経営層は“技術的な猛攻撃”に必死に対処しようとしている

究極的には、顧客価値が中心かつ重要になります。このジャーニーの中心には、顧客体験を再整形する3つのトレンドがあります:

結果ベースのアプローチの導入

ビジネス・モデルの深い変革、新しい組織的な能力、新しいビジネス・プロセスに関する能力が必要となります。

差別化されたカスタマー・ジャーニーと顧客体験の提供

顧客は自分に都合がよいように複数のチャネルを使った購買プロセスを選びたいと考えます。その浮かび上がるパターンは、これまでと同様に、線形ではありません。満足しなかった顧客の96%はクレームしませんが、91%はただ去っていき、決して戻ることはありません。 デジタルは一度きりのカスタマー・ジャーニーを提供しようというものではありません。顧客からのインプットに基づいて理解し、進化を遂げ、将来の製品やサービスに対するロイヤルティーを醸成するものです。

ビッグ・データを使い、リアル・タイムに近いマーケティングをする

企業はリアル・タイムに顧客のニーズを察知し対応することができ、告知された洞察とコグニティブの活用によって顧客とエンゲージするための次の最良なステップを予知します。

これはインテリジェンスに基づくリアル・タイムの決断を要し、顧客にとってパーソナライズされ関係のあるコンテンツや経験を提供することが大切です。顧客の好みを覚えておくことはこの能力の基本的な例ですが、顧客の購買プロセスの次のステップをパーソナライズし、最適化することにも及ぶのです。

機会が存在すれば見えない競合からの脅威もあります。複数の業界における企業は、破壊者が顧客のブランドとの対応の仕方をデジタルを使って変革しようとしている圧力を感じています。これらの新しい経験をすることによって、顧客は対応できていない既存企業を待てなくなってきています。顧客が必要としているものを簡単に探し、登録を簡便化し、パーソナルな対応を提供し、またサポートへのアクセスを簡略化することは今や顧客を引き止めるために非常に重要なのです。

競争は旧来の業界が新たに順序が入れ替わったことだけで起こるものではありません。全く新しいビジネス・モデルを持つデジタル侵入者からも発生するのです。これらの企業は通常バリュー・チェーンの要所を攻撃し、既存企業を通り越して顧客とのリレーションをコントロールするため、他のサプライヤーは無関係になってしまいます。
業界の収斂によってエンゲージメントのルールが再定義され、新たな競争環境で成功するには異なる戦術が必要になります。調査によると、デジタル環境を受け入れ、デジタル戦略に基づいて実行することによってアーリーアダプター(early adopter)が成功しているようです。

例えば:*

  • 消費者電気機器メーカーとヘルスケアが、運動のデジタル・トラッカーFitbitで共同
  • 世界最大のタクシー会社Uberは車を保有していない
  • 世界で最も利用者の多いメディア会社Facebookはコンテンツを作らない
  • 世界最大の小売業者AliBabaは在庫を一切抱えていない
  • 世界最大のビデオ会議会社Skypeは長距離通信のインフラを持っていない
  • 最大の成長の途にある宿泊提供会社AirBnBは不動産を持っていない

顧客は、取引がスムーズで、すべてのチャネルでパーソナルな経験が提供されており、また技術が目に触れないという、全く問題のない経験を期待します。これはdigital reinventionを通して達成できるものであり、企業はこれらのデジタル侵入者を払いのけてジャーニーを開始する時間が迫っています。

*出展:The Battle Is For the Customer Interface、 トム・グッドウィン、ハバス・メディア、2015年 3月

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Mark Dudgeon

Distinguished Engineer, SAP Global CTO

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