IBMは、2006年、グローバルレベルで、フィナンシャル・マーケットの将来像に関する調査報告書「Financial Markets 2015」を発表しました。調査対象は、グローバル金融機関の経営層でしたが、回答者の7割以上が、今後10年間で、フィナンシャル・マーケット業界は激変に見舞われると予想しています。戦略上の目標を達成するための革新的なテクノロジーとしてトップに挙げられたのは、リスク測定システムでした。これは、市場の透明性が増すことにより、金融機関がリスクをとらずしてリターンを得ることが徐々に難しくなっていることと整合性がとれています。 フィナンシャル・マーケット企業にとって、リスクを価値の源泉としてリターンを継続的にあげるためには、二つのアプローチがありえます。一つは自らがリスクを積極的かつ効率的に引き受け、管理することによる価値創造です。もう一つは、顧客のリスクを低減することによる価値創造です。現在、フィナンシャル・マーケットのセグメントは、バイサイド、セルサイド、取引所等のプロセッサーといった言葉で区分されていますが、提供する価値がリスク対応の切り口によって定義されるようになると、現在のセグメント区分に用いられている用語はいずれ時代遅れとなるかもしれません。 金融機関において、上述の二つのリスク管理のアプローチによる価値創造が不可欠であるとすれば、リスク管理の強化・高度化はリターンの確保といった観点からも必須となります。これまでは、リスク管理は、ややもすると当局対応の色彩が強い面がありましたが、今後は発想を転換する必要があります。例えば、様々なビジネスモデルの中で生じるリスクと収益を統合的に管理することは、各ビジネスに対する最適な資本配分やプライシング等を可能にすることで、戦略策定、収益性向上、競争力強化等、銀行経営全体の強化に寄与します。 さらに、コンプライアンスの観点からは、金融商品取引法の導入やJ-SOX対応のため、金融機関は連結ベースでの財務会計を中心とした内部統制プロセスの強化が求められています。 また、新たな法令順守対象として、米国型のアンチ・マネーロンダリング規制が各国にも適用されるとするならば、KYC(Know Your Customer)や疑わしい取引の検知を含めた実効性の高いアンチ・マネーロンダリング内部統制プロセスの導入、およびこれを実現するためのシステム構築が、金融機関の存続の必要条件のひとつとなることが予想されます。
IBM ビジネスコンサルティング サービスのバリュー
IBCSのリスク管理コンサルティング・チームは、常に海外のリスク管理トピックと最新動向をIBMのグローバル・ネットワークを通じて把握し、お客様へ価値のある情報とソリューションの提供を可能にする体制を構築しています。例えばバーゼルII規制、アンチ・マネーロンダリング、オペレーショナル・リスク管理等の分野では、このようなネットワークを通じて得られた情報に基づき、お客様に最先端のソリューションを提言しています。 また、リスク管理ソリューションの構築にあたっては、業界知識を豊富に備えたインダストリー・コンサルタントが、海外ベスト・プラクティス等を活用して、お客様の戦略、環境、組織等に最適なリスク管理を実現すべく、ご支援いたします。さらに、案件の性格に応じ、IBCSのフィナンシャル・マネージメント専門コンサルティングチームと連携してご支援いたします。 リスク管理を実践するために不可欠なシステム導入についても、金融業界に特化したパッケージ・ソリューション・コンサルタント、および日本IBMと連携してご支援することによる、end to endのサービスの提供も、IBMのバリューのひとつと考えます。