概要
サプライチェーンをグリーンにするには、12の取り組みポイントがあると考えています。それぞれのポイントに対してIBMは、自身の環境問題への取り組みや、サプライチェーン分野でのコンサルティング・サービスで積み重ねてきた知見や方法論、そしてテクノロジーを活用したソリューションをご提供します。

1.製品設計の見直し
製造・流通・使用それぞれの段階で消費されるエネルギーが小さくなる環境に配慮した製品を設計することが、たとえ小さな設計変更でも大きな効果をもたらします。例えば、製品の重量を減らすことで解体をより容易にしたり、新しい技術や手法を用いることで構成部品や付属品の一部などが不要になったり、その結果サプライチェーン・プロセスの一部までが不要になる場合もあると考えられます。
2.製造過程の見直し
消費エネルギーの削減、汚染物質や有毒物質、排ガスなどの削減といった製造工程での取り組みは、グリーン・サプライチェーンに大きなインパクトをもたらします。
3.グリーン・サプライヤーの起用
製品のカーボン・フットプリントにおける調達資材・原材料の比率は非常に大きいと考えられます。環境負荷の小さなサプライヤー(仕入先)や部材に切り替えることで、製造コストはやや高くなるかもしれませんが、最終的に利益を得ることができると考えられます。
4.移動距離の短縮
製品移動する距離を短くするために物流ネットワークを見直すことも大きな効果があります。調達・製造・流通のネットワークを販売市場を基点に合理的に見直すことで、移動距離を短縮し、燃料消費量を大幅に削減することができます。大きな市場に近いサプライヤーと取り引きするだけで、エネルギー消費を大幅に削減することが可能な製品もあります。
5.サービス・レベル契約の見直し
サプライヤーに要求する納品頻度やLTなどのサービス・レベルがビジネス・ニーズ以上に過剰であれば、無駄が発生してしまいます。サプライヤーに必要以上に小口配送や緊急出荷を強いているようであれば、大量のエネルギーを消費させてしまいます。ビジネス・プロセスとその実行に必要なサービス・レベルを適切に調整・設定することで、エネルギーの無駄をなくすことができるのです。
6.小さな梱包
梱包形態を見直すことで、荷姿の体積や重量などを小さくすることができます。新しい梱包材や設計によって、1製品あたりの体積が減り、コンテナーやトラックにより多くの荷物を積めるようになれば、トラックの台数を減らすことができるでしょう。また、新しい梱包によってリサイクル時の負担や梱包材そのものを減らすことができるかもしれません。
7.リバース・サプライチェーンの計画
いったん市場で販売された製品が使用されている間に、回収や改良、修理などの必要性が発生した時には、リバース・サプライチェーンのプロセスが求められます。こうしたプロセスを前もって計画・準備しておくことで、その際のエネルギー・コストを大幅に削減することが可能となります。製品設計・組み立て・ラベリング・梱包などをどのように行うかが、その後のリバース・サプライチェーンの効率性に大きな影響を与えます。
8.まとめ出荷
多頻度・少量の出荷を、より小頻度・多量の出荷にすることができるように、サプライヤーの選定や拠点配置、在庫レベルなどを慎重に検討する必要があります。
9.輸配送経路の短縮
最適な輸配送経路と輸送手段を計画するには高度な技術を要します。直感で最適な結果を導き出すのは難しく、従来からのやり方や固定経路では、非効率で無駄の多いルートを取ることになってしまいがちです。実際のコストやCO2排出インパクトを考慮することで、より合理的な経路を設定することができます。
10.パートナーとの協業
サプライチェーンのグリーン化には、サプライヤーや物流業者といった外部パートナーとの協業は欠かせません。より環境に配慮したサプライチェーン構築には、上流と下流両方のパートナーと慎重に協業することが必要なのです。目標や計画をパートナーと共有し、逆にパートナーの計画や優先課題も自らの施策に組み込むことも必要となります。
11.製品ライフサイクルの視点
製品ライフサイクル全体の視点からの見直しが必要です。特に製品の使用段階で消費されるエネルギー量は膨大なものです。リサイクルやリユース、修理・点検などにかかるコストについても分析することで、改善機会を見つけることができます。
12.さぁ、始めましょう。グリーンSCM戦略の立案
環境負荷の低い製品・企業であることは、買い手の購買行動において今後より重要な判断基準となっていきます。積極的な環境への取り組みは、高いブランド・イメージにつながり、一方で従業員のプライドに訴えることでしょう。多くの事業において、変化を避けることはできません。投資に値する変革施策は何か、待つべきは何か、を分析することから始めるべきです。まず自社内でコントロールできる部分からスタートさせ、その後に上流・下流に対象を広げていくことが重要です。
【12のポイントにおける対応ソリューション】
