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シェアードサービスと内部統制
フィナンシャル・マネジメントの提言として、上場企業の内部統制確立とITガバナンス(シェアードサービスと内部統制)をご紹介いたします。
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シェアードサービスと内部統制
シェアードサービス(以後SSC)の改革効果としては、一般的に(1)SSCへ業務委託した部署・企業がそのコア業務に集中できる、(2)経営情報の集約化により情報取得が容易になりディスクローズの適時性が向上する、(3)集約化により業務効率性の向上とコスト削減が可能となる、(4)高度な知識を持った人材を企業グループとして有効活用できる。等と言った効果が周知の事実として認識されている。ところが、最近のSSC導入の目的に中に“ガバナンスの強化と内部統制レベル向上”を重要視する企業が増えて来ている事が注目される。
では、なぜSSC化がガバナンスの強化と内部統制レベルの向上に繋がるのであろうか?一つには、連結経営上の観点である。会社法の施行や資本市場の国際化が進む中、日本企業でもグローバル競争に打ち勝つために、ますますM&Aの件数は拡大していくことは確実である。そういった経営環境下では、グループとしてのコア事業とノンコア事業との選別と経営資源の効率的配分を考え、事業再編に柔軟に対応できる体制を敷いておくことは必須であり、間接部門を中心とするグループSSC化を進めることで連結ベースでの業務標準化と集約化を通じた効率化の実現だけでなく、SSC組織をいわばグループ間接業務のインフラ化することで、機動性の高い柔軟な組織・業務運営体制を構築することが可能になる。
次に業務品質と内部統制レベル向上の両立の観点である。経理財務業務を例に取ると、各ビジネスユニットで経理財務機能を置くことは個別最適の観点では実態に応じた業務遂行を期待できる一方で、連結ベースで見ると各ユニットでやり方や品質基準がまちまちになることが多い。そこで、業務や組織をSSC化し各ビジネスユニットにサービスを提供する形態にすることにより、グループで統一された業務プロセスとルール及び手続きに基づき、均質な業務の遂行と集約化による効率化が実現できる。これは、グループ全体を通して同水準の内部統制状態を確保することを意味することにもなり、業務品質と内部統制レベル向上の両立が実現できるものと考える。
三番目に内部統制の整備後を見据えた観点である。業務をSSC化するためには業務プロセスとそれを支えるITシステムを可能な限り標準化することが必要不可欠である。米国の先進企業の取り組みでは、SSC化の過程で分散されたプロセスやITインフラを統廃合したりするなど、業務プロセス・IT基盤の変革と再構築を行った結果、プロセスの透明度向上と共に重要な統制活動の数を現行から大きく削減することに成功した例もある。これは結果としてSOX法対応上作業負荷が大きい運用上の有効性評価テスト工数の削減につながり、統制レベル向上と業務効率化の両面に寄与している。また、SSC対象業務は委託部門とSSCの間で受委託関係となり、その各々の責任範囲と手続きの明確化(文書化)が必然的に行われるようになり、職務分離を促進するというメリットも忘れてはならない。
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さらなるアウトソーシングの活用の意義
このようにSSC化は、業務の有効性と効率性を向上させると同時に、内部統制の整備・充実に繋がるものであるが、さらにアウトソーシングを適正に活用することには内部統制の観点で以下の点が有効と考えられる。
(1)責任分担の明確化とプロセスのより一層の透明化
外部のアウトソーサーに業務を委託することにより、内部では曖昧になりがちな責任分担がより明確になるとともに、その責任範囲を明らかにするため、業務プロセス、ルール、手続きの文書化が不可欠であり業務の透明化が自ずと進展することが期待される。
(2)アウトソーサーのノウハウ・経験の活用
優れたアウトソーサーを活用する場合は、自社のみでは得られない内部統制の構築と運用に関する知識・経験をノウハウとして活用することが可能となり、より高いレベルでの内部統制の構築が可能となる。
(3)実現までのスピード
アウトソーサーが保有するノウハウと保有する仕組みを活用することにより、自社単独で行うより迅速に内部統制の構築と変革を進められる可能性がある。
ただし、アウトソーサーの活用は各ビジネスユニットが個別、勝手に進めるのではなく、グループ全体の経営方針から進められなければ、かえって内部統制的には問題を生じることになる。また、経験とノウハウを有したアウトソーサーを選定することに加え、委託後も適切なコミュニケーションと監視・管理を行うことも委託者の当然の責務であることも忘れてはならない。
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