AI時代の到来で変わるCEOの意思決定

世界はますます混迷の度を増し、不確実性が高まり、緊張をはらんでいる。今日、CEOに求められる意思決定も同様の状況にある

リーダーが直面する課題
CEOによる生成AIの活用
AIを巡るジレンマ
過去の経営層スタディ
IBMが提供するサービス

意思決定をもっと簡素化することができるなら、他の誰かに任せたり、人間以外の「何か」を使ったりすることもできるだろう。

戦略的な意思決定を行う上で、CEOが活用しているのは主に財務データとオペレーショナル・データである。

CEOを今後数年間、最も悩ませる課題は何だろうか。財務データやオペレーショナル・データだけでは対応しきれない複雑な問題が幾つも立ちはだかり、膨大な情報やデータがないと太刀打ちできなくなることだ。具体的には、サステナビリティーやサイバーセキュリティー、DE&I(ダイバーシティー・エクイティ&インクルージョン=多様性、公平性および包摂性)などである。こうした複雑性を極める課題に、CEOは対応を迫られている。

経営層の意思決定にはかつてないスピードが求められ、株主価値だけに配慮すればよい時代は過去のものとなった。さらに、人間による意思決定にAIを活用することを巡って倫理的な問題や実現可能性が議論されている。これまで知られていなかった生成AIのサービスについて今や世界中のビジネスパーソンが口にするようになった。こうした中で、優れた成果を上げているCEOはどうやって最適な判断を下せるのだろうか。しかも、対応を迫られているのは、過去の経験やデータがほとんど通用しない分野である。

これはかつてない挑戦といえる。

75%

のCEOは、先進的な生成AIの有無が競争優位を左右すると考えている

50%

のCEOは、商品・サービスに生成AIを組み込んでいる

43%

のCEOは、戦略的な意思決定に生成AIから得た情報を利用している

「生成AIモデルは驚嘆と感銘、脅威がすべて一体となった存在だ」
Gonzalo Gortázar氏
カイシャバンク(CaixaBank)、CEO
「AI導入を急ぐべきだ」とする圧力が、「徐々に進めるべきだ」とする圧力よりも大きい。
企業リーダーの目には「魔法の杖」のようにさえ映るだろう。プロンプト(生成AIに出す指示や質問)を幾つか入力すれば、わずか数秒で、どんな意思決定にも説得力のある根拠が得られるのだから。もちろん、物事はそれほどうまくはいかない。それにもかかわらず、利害関係者は経営層に圧力をかけ、AIの使用を求め続ける。
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  • 「AI導入を急ぐべきだ」とする圧力が、「徐々に進めるべきだ」とする圧力よりも大きい。
    企業リーダーの目には「魔法の杖」のようにさえ映るだろう。プロンプト(生成AIに出す指示や質問)を幾つか入力すれば、わずか数秒で、どんな意思決定にも説得力のある根拠が得られるのだから。もちろん、物事はそれほどうまくはいかない。それにもかかわらず、利害関係者は経営層に圧力をかけ、AIの使用を求め続ける。
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  • AIが陰に陽に職場を“侵食”するにつれて、人員体制の混乱に拍車がかかっている。
    生成AIが自社従業員に与え得る影響について、すでに評価済みのCEOは3人中1人に満たない。この点は調査結果の分析に基づく知見の中で、最も大きな不安要素の1つだ。つまり、AIが人員体制に混乱をもたらし、体制変更を強いる中で、明確な従業員支援のビジョンのないまま行動しているCEOが、3人中2人もいるということだ。これは認識不足なのか、取り組みが遅れているだけなのか。いずれにせよ、注視が必要だ。特に、CEOと他の経営層の間で自社のスキルや準備状況に関して認識に隔たりがあるように見受けられるからだ。
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  • CEOはAIの導入に意欲的だが、他の経営幹部は自信を欠いている。
    組織として意思決定にAIを導入する準備ができているのかという点でも、大きな疑問を持たざるを得ない。CEOの10人中7人は、AIのメリットは全社的に幅広く及ぶと考え、自社従業員が生成AIをすぐにでも導入できる知識とスキルを備えているとみている。しかし、他の経営層はAIの導入や従業員の能力に対してはるかに慎重な見方をしている。
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  • 生成AIを導入する上で最大の障壁は?
    CEOが生成AIの導入に頭を悩ませるとき、まず懸念するのは、テクノロジー人材の確保など組織の問題ではなく、もっと基本的なこと、すなわちデータだ。信頼できるデータがなければ、どんなに優れたAIであっても、出力結果に誤りや偏りがあったり、深刻な問題をはらんでいたりする。しかし、データ活用基盤を整える作業は簡単ではなく、企業の多くは完成からほど遠い状態にある。最大の障壁は、データ・リネージュ(データ履歴の可視化)とプロビナンス(来歴)、カスタマイズできる独自データの不足、さらにはセキュリティー上の懸念である。
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「CEOは時に、明確な展望がないまま決断を迫られることもある」
Roberto Tomasi氏
アウトストラーデ・イタリア(Autostrade per l’Italia)社、CEO
過去の経営層スタディ
役職別レポート
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