概要

ブロックチェーンとは、信頼性、説明責任、透明性を担保しながらビジネス・プロセスを効率化できる、次世代のトランザクション・アプリケーションの基盤となる技術です。ブロックチェーンはビットコインで有名になった設計パターンですが、その用途にはビットコインにとどまらない可能性があります。ブロックチェーンを活用すれば、これまで全世界のビジネスの根幹を支えてきたビジネス上のやりとりの方法を刷新し、新たなデジタル式のやりとりの方法を構築することができます。ブロックチェーンには、企業間ビジネス・プロセスのコストと複雑性を大幅に削減する可能性があります。分散台帳に基づき低コストで簡単に構築できるビジネス・ネットワーク上で、これまでのような集中管理拠点を設けることなく、価値を持つすべてのモノを追跡、交換できるようになります。

この最新技術が秘めている可能性は、幅広いビジネス・アプリケーションへの応用が期待されています。

たとえば、ブロックチェーンを活用すれば証券の決済にかかる期間を数日から数分に短縮することができます。ほかにも、企業の物流とそれに伴う支払いの管理や、製造メーカー、OEMの委託先メーカー、規制当局間で製造ログを共有して商品のリコール件数を削減するなど、さまざまな用途が考えられます。

この20年間で、インターネットは人々、そして企業の生産性を飛躍的に高め、ビジネスや社会の様々な面に革命的な変化をもたらしました。しかし個人間あるいは組織間の相互取引における基本的メカニズムは21世紀になっても変わらないままでした。ブロックチェーンは、これら旧来の取引プロセスにインターネット時代に待ち望んでいたオープン性と効率性をもたらしてくれることでしょう。

— Arvind Krishna, シニア・バイスプレジデント、IBM Research


課題とソリューション

 
 

従来

現在、企業間の資産の所有と移動は、非効率で時間がかかり、コストも高く、改ざんも避けられません。あらゆる当事者がそれぞれ独自に台帳を管理しているため、企業間の台帳に矛盾があると決済期間もそれだけ長くなります。

インターネット時代にふさわしい市場を実現するための、新たな手法が求められています。

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将来

ブロックチェーンのテクノロジーでは、ビジネス・ネットワーク全体で1つの台帳が共有されます。関係があり許可を得た当事者以外はネットワークを閲覧できず、承認された当事者だけが参加を許可されます。また、暗号化技術により参加者は許可された項目しか参照できないため、セキュリティーも維持されます。

さらに、共有台帳の正当性は、複製と分散によって厳密に維持されます。台帳に対するすべての取引にはネットワーク全体の合意が不可欠で、情報の発信元は常に明確に可視化され、トランザクションは不変かつ確実に実行されます。

このビジネス・ネットワークの参加者は対等であり、ブロックチェーンを利用する限りにおいては、ネットワークを経由しない取引が発生することはありません。

物品とサービスの提供が大幅に効率化されることで、あらゆるレベルでのコスト削減が期待されます。

ブロックチェーンの重要な概念

ブロックチェーンにおける2つの重要な概念は、参加メンバーが価値あるモノを交換する場となるビジネス・ネットワークと、各メンバーが所有し、メンバー間で常に内容が同期される台帳です。

ビジネス・ネットワーク

  • 複数のノードで構成される分散型ピア・ツー・ピア・アーキテクチャーで、各ノードは市場の参加者(銀行や証券会社など)です。
  • プロトコルを共有する複数のピアがトランザクションを検証しコミットすることで合意を形成します。

共有台帳

ブロックチェーン上で取引を行う企業に正しい情報を提供する唯一の機能です。

  • ビジネス・ネットワーク上のすべてのトランザクションを記録
  • 参加者間で共有される
  • 各参加者に複製され、それぞれの参加者が独自にコピーを所有する
  • 参加者は自分が許可されたトランザクションしか参照できない

複数のビジネス・ネットワークに参加している企業は、複数の台帳を所有して、これらを財務取引の記録や集計に利用することができます。

スマート・コントラクト

スマート・コントラクトには、所有者が存在し、価値に交換できるあらゆるデジタル資産を含めることができ、これらのデジタル資産は有形無形を問いません。また、一連のビジネス・ルールのデジタル表現をスマート・コントラクトに含めることもできます。

  • ブロックチェーンに埋め込まれる
  • トランザクションの中で実行される
  • 検証可能で、署名が追加され、プログラミング言語により符号化される
  • たとえば、特定の条件を満たした場合に社債の振替を実行するような条件を設定可能


 

合意

台帳の項目はネットワーク上のすべての台帳の間で同期されます。全体の合意によってすべての台帳がそれぞれの正確なコピーであることが保証されます。また、全体の合意があるため、改ざんは数多くの箇所で同時に発生しない限り難しいため、不正取引のリスクは低減されます。

  • すべての参加者がピア・ネットワークを通じてトランザクションに合意し、トランザクションの正当性を確認
  • トランザクションの正当性を確認するルールも設定可能
  • このようにして、参加が信頼されている(trusted)場合でも、信頼されていない(trustless)場合でも、トランザクションのコミットを低コストで実現可能

IBM Blockchainは「プラガブル」な合意形成システムを採用することで、さまざまな業界セグメントのニーズに対応します。

プライバシーと機密保持

ブロックチェーンでは、公開/非公開キーを生成し、個人用デジタル署名を使ってレコードの秘匿性を確保することができます。

  • レコードは暗号化、ハッシュ化されてネットワークに送信され、ノードにより検証される
  • 顧客、請求書、参照番号にはそれぞれ固有のIDが割り当てられる

台帳は共有されますが、参加者の次のようなニーズにも対応できます。

  • 非公開のトランザクション
  • 特定のトランザクションに関連付けられないID

トランザクションに不可欠な認証プロセスは、暗号化を基盤に実行されます