医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、病院経営や臨床の現場にも変革が求められています。患者から選ばれ、よりよい医療サービスを提供する病院になるために、医療と経営の質、両方の向上がこれまで以上に求められるようになりました。こうした課題を解決するためのカギがデータ活用です。各種システムが縦割りで扱っていたデータを統合し、医療活動の現状を見える化する。これにより医療の質向上だけでなく、業務改善や経営改善を目指す。そのためのソリューションが「IBM MD-View」です。

部門最適で構築した既存システムの
課題データ連携が難しく、可視化できない

病院を取り巻く環境は、大きく変わりつつあります。大きな動きの1つは、診療実績をはじめとする病院情報の公開という流れです。病院を比較検討するための情報が充実するほど、患者の選択眼は厳しくなります。患者に選ばれるためには、これまで以上に医療の質が問われます。

一方で、人的なリソース不足はほとんど慢性化しています。優秀な人材の確保は病院経営における大きな柱ですが、医療の質向上を目指す病院にとって、その重要性はさらに高まるものと考えられます。

こうした危機意識を背景に、医療および経営の質向上に向けた取り組みを強化する病院が増えています。そのための手段が、データ活用です。医療データを活用して現状を可視化し、PDCAサイクルを確立して業務や医療サービスの改善を目指す。これが基本的なアプローチです。しかし、データ活用を十分なレベルで行っている病院は少ないのが現状です。

根本的な課題は、これまで部門最適でつくられてきた既存の情報システムにあります。多くの病院において、各種システムは別々のITベンダーによって構築されています。導入当時は個別業務の電子化が主要なテーマであり、相互連携についてはあまり考慮されていないケースが多く、その結果として、各種システム間のデータ統合が難しく、データの活用も進まないという現状があります。

また、セキュリティー上の課題もあります。既存システムからデータを抽出して活用したい場合、個人情報などについて適切なマスキングができないケースがあります。これでは、ある部門の職員がデータを参照する際、業務上は不要な機微情報まで目にすることになってしまいます。これはセキュリティーの観点で重大な課題です。

以上のような課題の解消に向けて、IBMは「データを集めて、貯めて、見せる」という一貫したソリューションを提案しています。

「データを集めて、貯めて、見せる」
統合型データウェアハウスという考え方

電子カルテシステムや各種検査システム、がん登録システム、医事会計システムなど多種多様なシステムが縦割りで扱ってきたデータを集約し、データウェアハウスという大きな“器”に統合(貯める)。統合されたデータを、各部門の職員が見やすい形で提供するためのBI(Business Intelligence)の仕組みも提供する。これらの諸機能をまとめたソリューションが「IBM MD-View」です(図)。

現状、データウェアハウスやBIを導入している病院は少なくありません。しかし、有効活用されていないケースも見受けられます。データウェアハウスはあっても、使えるデータが集まっていないという声が現場ではよく聞かれます。診療が終わった深夜、各システムからデータを集めて、一般的な表計算ソフトなどを使って、手作業でデータを編集、加工している医師も多いのではないでしょうか。

こうした現状を変革するためのキーワードが、統合型データウェアハウスという考え方です。さまざまなITベンダーが構築した既存システムからのデータの取り出し方は一様ではありません。データ形式もバラバラです。これらを整理、体系化した形でデータウェアハウスに格納するためには、データを自動的に収集・連結・加工するための仕組みが不可欠で、この役割を担うのが「IBM InfoSphere Warehouse」です。

医療用統合型データウェアハウスIBM MD-Viewの概念図
医療用統合型データウェアハウス IBM MD-Viewの概要の図

医療用統合型データウェアハウス IBM MD-Viewの概念図

医療用統合型データウェアハウス IBM MD-Viewの概念図

こうして収集されたデータは、統合型データウェアハウスとしての「IBM DB2」に格納されます。格納されたデータは、「IBM Cognos Business Intelligence」によって可視化されます。各部門の職員が見たいと思う切り口、わかりやすい表示でレポーティングをすることが可能です。

その際、セキュリティーの確保は欠かせません。IBM MD-Viewでは、必要に応じてデータの匿名化などの処理も可能です。また、ユーザーの職位や所属部門などによって厳格なアクセス権限を設定することができます。「集めて、貯めて、見せる」が統合されたソリューションであるため、外部からのサーバー攻撃にも強いシステムを実現することができます。

IBMは統合型データウェアハウスのシステム構築にとどまらず、導入後のサービスにも注力しています。導入したシステムは、活用されることによってはじめて価値を生みます。IBMは 医療データの利活用コンサルティングを通し、病院の職員や組織を強力にサポートしています。この点もほかのITベンダーとの大きな違いといえるでしょう。

医療活動の見える化を通じて
医療の質だけでなく経営にも貢献

医療データの活用により、医療の質と経営の質を高めるため、IBM MD-Viewを導入する病院は増えています。医療の高度化に対応するためには、データの活用は必須です。

電子カルテや検査システムなど各種のシステムから集めたデータを統合した上で、多様な角度から分析することで最適な治療方針を導くことができます。また、そんな手法が求められる診療分野は増えています。

手作業で必要なデータを収集・分析している職員が多く、IBM MD-Viewによってこうした手間を最小化することで本来の業務に集中できる環境をつくっていくべきと考えています。多忙な職場環境の改善は、人材採用などの面でも効果が期待できます。

また、データ活用は経営の観点からも重要な意味を持ちます。たとえば診療報酬の請求です。データ環境が十分に整備されていない病院では、本来加算のある医療行為について請求モレが発生していても、その実態を正しくつかむことができず、改善の糸口を見いだしていないことがあります。統合型データウェアハウスは、こうした抜け・漏れの実態の可視化を通じて経営にも貢献することができます。

現状が見えていないことに起因する課題は多くあります。統合型データウェアハウスは現状の見える化を通じて改善を促すための基盤。見える化ができれば、各部門が指標をモニタリングしながらPDCAサイクルを継続的に回すことができるでしょう。
IBMは統合型データウェアハウスとコンサルティングを通して、よりよい医療サービスの提供に貢献していきます。

医療用統合型データウェアハウス IBM MD-View

このようなニーズをお持ちではありませんか?

対象 内容
医師
  • 電子カルテで入力した情報を、さまざまなキーワードで検索したい
看護師
  • 電子カルテだけではなく、複数のシステムの患者情報に素早くアクセスしたい
技師
  • 患者単位ではなく、検査や治療などの単位で情報検索をしたい
診療情報管理士
  • がん登録のために、複数の情報データベースから迅速に検索したい
病院経営者
  • 管理会計やバランススコアカード管理を行い、病院の収支改善と医療の質の向上をはかりたい
  • 病院機能指標を開示し、病院を知ってもらいたい

医療用統合型データウェアハウス MD-Viewの特長

  • 定型/非定型レポートの出力が可能であり、月次レポートや学会用資料など、さまざまな用途にあわせたレポーティング機能を提供
  • 多くのユーザーのニーズに応えられる、多種多様な画面の出力やデータ分析が可能で高いユーザビリティーを実現
  • 医療情報部門のみならず医師や病院経営層、多くの医療関係者が医療情報を適切に扱うために、権限管理や匿名化対応など、情報セキュリティーに配慮し、アクセス制御を実現
  • 各システムに散在するさまざまなデータを連結して見るためのツールを提供。電子カルテや各部門システムのデータを自動的に収集し、分析ツールでデータを活用できます。

データを「集めて」「貯めて」「見せる」

医療と経営の質向上を支える医療用統合型
データウェアハウスMD-Viewのご紹介

京都大学医学部付属病院

ビジョンは「データサイエンスの拠点」
統合データウェアハウスがデータ活用の中核を担う

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