導入事例:PinnacleHealth(米国)

アナリティクスが医療サービスの提供に革命を起こす

PinnacleHealth は、アナリティクスを活用して、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) を抱える患者が再入院するリスクを評価する予測モデルを構築しました。

COPD患者の再入院の可能性を 85% の精度で予測します

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エグゼクティブ・サマリー

再入院の「いつ」と「なぜ」を探る分析で医療サービスを変革

医療サービス提供者は、慢性疾患を抱える患者の再入院を減らす必要に迫られています。 リソースに限りがあるため、どの患者に最も注意を払う必要があるかを把握することは不可欠です。PinnacleHealth と IBM ビジネス・パートナーの Waypoint は、IBM アナリティクスを使用して、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の患者における再入院のリスクを評価する予測モデルを構築し、ケアの現場で効果的に介入できるようにしました。COPD の再入院を 85 パーセントの精度で予測することで、PinnacleHealth は患者の予後を向上させ、コスト低減を実現できました。将来的には、他の慢性疾患も同様のモデルで評価できるでしょう。

「予測分析は今では、業務に欠かせません。もはや、あれば便利というものではありません。他分野ではすでに実現しているように、ヘルスケアでも、知識を患者の生活改善につながる行動に変え始める時期です」

- Dr. George Beauregard

PinnacleHealth、SVP 兼 CCO

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概要

新たなアプローチの必要性

医療機関は、患者が病院や診療所にいる間は病状管理することは得意ですが、慢性疾患を抱える患者にとっては、これは生活のごく一部に過ぎません。患者が家にいる時に何が起こるでしょうか。患者の病状は改善しているのでしょうか、それとも悪化しているのでしょうか。再入院が必要になる可能性に影響する要素は何でしょうか。問題は、医療機関は、自由になるリソースに限りがある場合に、患者の長期的な転帰を改善するために、どうすればケアの提供方法を変えられるのか、ということです。PinnacleHealth にとって、鍵となるのは院内での患者の管理方法にとらわれず、大局的な見地から検討することです。

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チャレンジ

医療機関は、慢性疾患を抱える患者の再入院を減らす必要に迫られています。リソースに限りがあるため、どの患者に最も注意を払う必要があるかを把握することは不可欠です

PinnacleHealth System のシニア VP 兼最高臨床責任者、Dr. George Beauregard は、次のように詳細に説明します「慢性疾患を抱える患者の再入院は、最近政府が許容する割合を超える医療機関に制裁金を課したことから、現在米国で大きな反響を呼んでいる問題です。当院の再入院率は、すでに全国平均を下回っていましたが、さらなる改善を図り、ポピュレーションヘルスを向上させ、コストを削減するための機会を見出しました」

慢性疾患を抱える患者が長期にわたり良好な健康状態を保てるように、限られたリソースで支援する際に効果があると実証された介入活動はいくつもあります。課題は、最大の効果を発揮する介入ポイントを解明することです。

「患者が入院すると、当面の問題解決に集中し、その後帰宅させることは非常に簡単です」と Dr. Beauregard はコメントしています。「残念なことに、その環境には患者の健康を再び悪化させかねない要素があまりにも多く存在するというのが現実です。経過観察の徹底、関与レベル、健康状態を管理する態度と確信、診断、予後、投薬を理解しているかどうかといったことは、大きな影響をもたらすいくつかの要素に過ぎません。課題は、時間やリソースが限られている医師や介護スタッフが、いかに容易にさまざまな要素を俯瞰的に見られるようにできるかということでした」

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ソリューション

PinnacleHealth と Waypoint は、IBM アナリティクスを使用して、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の患者における再入院のリスクを評価する予測モデルを構築し、ケアの現場で効果的に介入できるようにしました

PinnacleHealth にとって、この問題への解答は明らかでした。どの患者の再入院のリスクが最も高いかを予測できれば、この洞察を使用して最も必要としている人々に注意を集中して、大きな改善が期待できる介入活動を予定できます。このような目標を現実とするために、IBM プレミア・ビジネス・パートナーであり、分析の専門家である Waypoint Consulting と協業しました。

「既存の IBM Cognos Business Intelligence ソリューションを IBM SPSS Modeler ベースの予測コンポーネントで拡張することは、自然な判断でした」と Dr. Beauregard は述べます。「Waypoint Consulting は、プロジェクトを成功に導くために必要なデータ・サイエンスの知識と医療の専門知識をもたらしました」

ソリューション・コンポーネント
ソフトウェア

  • IBM® Cognos® Business Intelligence
  • IBM SPSS® Modeler

IBM ビジネス・パートナー

  • Waypoint Consulting

「アナリティクスは、医療提供のアプローチに大変革を起こしつつあります。IBM と Waypoint Consulting は、この取り組みに不可欠な存在です」

- Dr. George Beauregard

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結果

予測分析の採用

PinnacleHealth は、パイロット研究を開始し、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) を抱える 患者225 名の 3 年分に相当するデータを取得し、さまざまな臨床学的要員を用いて再入院を予測するモデルを構築しました。

「パイロット研究は成功しました。SPSS モデルは、85 パーセントの精度で COPD 患者の再入院を予測しています。モデルの改良を重ねるにつれ、この割合は向上していくでしょう」と Dr. Beauregard は説明しています。「このパイロットを使用して、最も再入院の可能性が高い患者に対象を絞った場合に考えられる財務上のメリットと患者の予後の改善を示すビジネス・ケースを作成しました。COPD 患者一人あたりの再入院コストが約 6,200 米ドルであり、他の慢性疾患にも同様の分析テクニックを適用できる可能性もあることから、CEO はただちに実用の可能性を見出しました。分野横断的なチームを結成し、作業に取りかかりました」

ソリューションは、PinnacleHealth の医療機関のいずれかに COPD の患者が入院すると、現場の医師にレポートを自動的に送信します。レポートでは、一定期間内における再入院の可能性や、病状の悪化が生じやすくなるおよその時期を予測し、合わせて併存疾患や他の投薬などの詳細を提供します。レポートは、同機関の中核となる臨床システムや財務システムのデータ、さらに入院中のバイタル・サインや検査結果記録に基づいて作成されます。

Dr. Beauregard はこう述べています「IBM ソリューションから得た洞察により、医師やケア・コーディネーターは一歩下がって、再入院のリスクが最も高い患者の健康状態を全体的に見渡せるようになりました。その結果、最も必要な部分で一連の介入を開始できるようになりました」

「例えば、患者が治療薬を容易に入手でき、その服用法を理解しているかどうかを確認できます。患者が適切なセルフケアを行えるようできます。地域の救急医療チームによる自宅訪問や呼吸器科医による経過観察の予約をできます。さらには、入院中に禁煙の相談に乗ることもできます」

このソリューションにより、かつては見えなかった患者の側面が明らかになることで、患者に長期的に最大のメリットを提供する意思決定を行えるようになり、再入院の割合が低下しています。Dr. Beauregard はこう付け加えています「ケア提供プロセスにこの介入活動が組み込まれれば、IBM ソリューションが提供する患者の健康に対するメリットとコスト効率を実現できると期待しています」

「COPD 患者の再入院件数を削減することは始まりに過ぎません。すでに、慢性腎疾患、慢性心血管疾患などの進行を遅らせるための予測モデルの構築が計画されています。まだ初期段階ですが、すでに多くの教訓を得ています。IBM ソリューションと Waypoint Consulting により、医療提供へのアプローチに全面的に革命を起こそうとしています」

- Dr. George Beauregard

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